日本の人口が1億人を突破し、日本経済も発展の真最中。
世界中でヒットを飛ばしていた、英国の人気グループ「ビートルズ」が来日した1966年。
クルマの世界では、大衆への大量販売を狙ったモデルが投入されます。
日産は「サニー」、トヨタが「カローラ」を発売した同じ年です。1966年は、サニーVSカローラ戦争(CS戦争)元年と言われています。
ニッサンサニーについて
日産サニーとは?
販売戦略で、車名公募を実施しました。
この公募に約800万通の応募が寄せられ、サニーは消費者の期待をうまく取り込んでスタートダッシュに成功しました。
価格は45万円前後と、庶民でも手が届く価格設定になっていました。
車名は「太陽光」・「晴れた天候」を表す英単語「Sunny」が公募のなかから選ばれました。
初代 サニー 1966-1970年
□ボディータイプ 2/4ドアセダン 2ドアクーペ他
□エンジン 1000cc 直列4気筒 OHV
□トランスミッション 3/4速MT
□駆動方式 FR
□全長 3820mm
□全幅 1445mm
□全高 1345mm
□車両重量 645kg
発売から半年後に、トヨタがカローラを発売するまでの天下でした。半年、先に発売されたサニーを横目に、トヨタは販売作戦を変更してきます。
後から同じようなクルマを出しても注目されない為、思い切ってエンジン排気量を+100ccすることにしたのです。
初代カローラは「プラス100ccの余裕」をキャッチフレーズに発売されました。
価格はサニーより高い49万5千円。大卒の初任給は2万5千円程度だったのですが、カローラは大ヒットしました。
これに対抗して2代目サニー(B110型)では、ボディサイズを大きくして「隣のクルマが小さく見えま~す」とカローラに対する強力な巻き返しに出たことは有名なお話です。
「隣のクルマが小さくみえま~す」のCM動画です。
NISSAN SUNNY1200-CM(1970)
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歴代車種は?
2代目以降の、昭和の時代に発売された、歴代のサニーを見ていきます。
2代目 サニー 1970-1972年
カローラに100ccのエンジン排気量のアドバンテージを与えてしまった為、2代目サニーはそれを追い越して1200ccエンジンを搭載しました。
しかし、トヨタのカローラはすぐに1400ccのエンジンを搭載してきます。
半年先行して販売したことが、このあとすべてトヨタが後出しじゃんけんで優位を保ち、常にカローラの後塵を拝することになってしまいます。
しかし、このカローラとサニーの切磋琢磨の関係が、日本の大衆車の高品質化につながり、それが日本車の信頼性となって世界に認められる自動車王国になれた要因の一つだと考えられています。
三菱のコルトギャランが1970年に発売されてヒットしていました。
そこで日産は、サニーの2ドアクーペを登場させます。
トヨタも黙ってはいません、レビン・トレノが同じ時期に登場しました。
面白いのは、どれもアメリカのフォード・マスタングをイメージしたフロントマスクデザインでした。でもやっぱカッコイイですね。
3代目 サニー 1973-1977年
3代目になると、エンジン排気量合戦は1600ccで収束します。他のモデルとの棲み分けを考えると日産もトヨタも1600ccまでと考えたのでしょう。
この代は、北米輸出増大を考えたために、エクステリアデザインは丸みを帯び、ボディーも大型化されています。
先行して販売されていたスカイラインなどと同じイメージのデザインになっています。
この3代目以降は、販売台数も下降気味になってしまいました。大衆車を一度購入したら、次のクルマも大衆車ではなく、多くの人はもう一つクラスが上のクルマを買おうとするのです。
トヨタだけではなく、日産の中にも競合車が存在する状況となり、人気が分散してしまった為です。
4代目 サニー 1977-1979年
「こんなデザインのサニーがあったの?!」という位、日産の販売力が弱い都道府県だと「見たことが無い」と言われる方が多いモデルです。
クーペモデルは、モータースポーツなどでも活躍しましたが、セダンは
あまり売れていません。このモデルが、FR駆動方式のサニー最終モデルです。
日産 サニー 310 前期 CM 月光仮面
5代目 サニー 1981-1983年
このモデルからサニーもFF駆動となりました。エンジンもSOHCとなり、1982年にはターボ付きモデルまで登場します。
この時、カローラは人気の高かったAE70系が好評でした。AE70が4A-GE搭載のGTシリーズを設定したのに対向して、サニーはターボ搭載を行ったのですが、販売台数はそれほど伸ばすことは出来ていません。
6代目 サニー 1985-1990年
昭和の時代最後のモデルが6代目のサニーです。久しぶりに、カローラとは互角に戦ったモデルです。
カローラがFF化したAE80のセダンのデザインが不人気で失速したのも原因です。
サニーは当時ライセンス生産していたVWサンタナから多くを学び、品質性能共に大きく向上させたのがこの6代目でした。
2ドアクーペは、RZ-1というモデルを発売しています。(こちらは、ハチロクに惨敗です。)
日産 TRAD SUNNY(トラッドサニー) CM 1986年
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トラックやクーペも!
サニーはセダンだけではなく、上記で紹介したクーペの他に、ステーションワゴンやトラックまでのボディーバリエーションを持っていました。
ステーションワゴンは「サニーカルフォルニア」という名前で、北米以外に日本国内でも販売されています。
初代 サニーカルフォルニア
トラックは、初代のサニーから販売されていました。
2代目のサニートラックは、1971年から、なんと2008年までそのままで販売されています。
このタイプはクルマ好きには今でも人気ありますね。フロントグリルをハコスカ風に変えたりしてるのもよく見かけます。
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中古車情報は?
意外と、中古車市場に流通があります。
一番多いのは、6代目のサニーですが、もっと古いサニーも流通しています。
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希少価値が出ている為か、お値段は少しお高めです。 車庫に余裕がある方にお勧めです。
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車庫に入れるほどでもないので、部屋に飾っておきたいという変わった方には、ミニカーかプラモデルがお薦めです。
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「サニー」だけで検索したら、ワンピースの「サニー号」がヒットしてしまいますね・・・
残念ながら、現在では、そっちの方が有名です。
1966年から火ぶたを切って落とされたCS戦争は、2004年の生産終了まで、カローラに惜敗してしまった日産サニーです。
カローラと共に、比較的安いクルマなのに、内装品の出来栄えや装備が、ワンランク
上のモデルより充実していたクルマでした。
カローラに負けていても、販売台数多かったので、開発費用をたくさんかけることができたのです。
トヨタでも、カリーナやコロナより、カローラの開発費が上だったそうです。
(開発費/企画台数=開発コスト単価)ですから、企画台数が多ければ開発費をかけても、1台あたりに載せる開発費単価は小さくなります。
サニーもカローラも、国民の所得が向上し、競合はランク上のモデルやハイブリッドとなり、人気が拡散すると同時に販売台数が下降してしまいます。
カローラはまだ販売を続けていますが、サニーは2004年に38年の歴史に幕を下ろしました。
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