イタリア車だけではなく、各国の自動車メーカーのデザインを手がけたイタリア人、ジョルジェット・ジウジアーロ。
エッジの効かせた、未来マシンのようなデザインから、優雅な曲線を多用したデザインまで、
数々の名車のデザインを手掛けてきた巨匠です。
その巨匠がデザインした日本車の名車が、この「いすゞの117クーペ」です。
いすゞ117クーペについて
いすゞ117クーペとは?
□販売期間 1968年-1981年
□ボディータイプ 2ドアクーペ
□エンジン 1600/1800/2000cc 直列4気筒 SOHC/DOHC
□駆動方式 FR
□トランスミッション 4/5速MT 3速AT
□全長 4310mm
□全幅 1600mm
□全高 1310mm
□車両重量 1075kg
□最高速度 190km/h
いすゞが販売していた、4ドアセダン「フローリアン」のクーペ版という位置づけで開発されたモデルです。
いすゞ フローリアン(初期型)
足回り部品は共有し、新たにクーペのボデーをデザインして乗せたものです。
上周りのコンセプトやデザイン、パッケージングなどは、すべてジョルジェット・ジウジアーロに委託され開発されました。
1966年のジュネーブモータショーで発表され、コンクール・デレガンス賞を受賞。その後も数々の賞を受賞しています。
デザインの特長は、前後のホイルハウスの上部にある、側面に施された波打ったプレスラインです。このころのイタリアンカーに施されているデザインです。
また、ウインドウガラスの面積が大きく、ピラーやサッシュが細いのも特徴です。これによって、外観はスッキリし、室内からは開放感を得ることができました。
デザインだけではなく、エンジン技術でも日本初の電子制御燃料噴射装置を搭載しています。
変わった記録として、発売開始以来10年間に1台も廃車が出なかったという記録を持っています。
販売期間は1968年から1981年までの14年間に及びます。
この間、装備の変更や、フロントとリヤデザインの変更などのマイナーチェンジのみ行われていておおまかには3つの世代が存在しています。
□ 第一期 1968-1972年
発売当初は、少量限定生産車でした。
当時いすゞは小さい会社で、保有する設備では特徴ある細いピラーなどはプレスができなかったそうです。
下加工だけを設備で行い、細かな成型や穴あけなどは、すべてハンドメイド(手加工)で加工したそうです。
手がかかってしまう分、販売価格は172万円と、スカイライン2000GTの約2倍の価格でした。しかも生産台数も月に30から50台程度です。第1期モデルの生産台数は累計で2,458台だけです。
イタリアンなエクステリアデザインですが、1つイタリアとは関係ない装飾が施されています。
それが、フロントグリルのヘッドマークです。
なんと! 唐獅子なのです。
これもジウジアーロが、何か東洋的なものをマークにしたいと考えたものだそうです。
「東洋=唐獅子」の方程式は、日本人にもピンときませんね。鳥居とか富士山でもよかったのかもしれません。
TVのCM映像がありましたのでご覧ください。
1978 ISUZU 117 COUPE Ad (HD)
トヨタが制作した、117クーペの解説映像です。トヨタ博物館に所蔵されている117クーペが登場します。
いすゞ 117クーペ(前編)-商品概要紹介
いすゞ 117クーペ(後編)-試乗インプレッション
□ 第2期 1973-1976年
第2期の生産は、設備の改良によってハンドメイド部分が激減しました。
エクステリアデザインは、フロントが方向指示器と車幅灯がバンパー下部にビルトインされました。フロントグリルの意匠も変更になりました。
リヤは、灯火類が一体になったデザインになっています。それに伴いナンバープレート取り付け位置がバンパー下部に移動しています。すこしアメリカ車風にアレンジされています。
室内は、木材部分が金属や樹脂に変更されてしまい、第1期モデルに比べるとチープな雰囲気になってしまっています。
□ 第3期 1977-1981年
一番大きな変更が、フロントのヘッドランプが角型4灯に変更されたことです。
バンパーは樹脂製となり、方向指示器はその中にビルトインされています。バンパー下のスカート部分には、チンスポイラーが設定されています。
内装はほとんどがプラスティック成型品となり、コストダウンが図られたモデルになりました。
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ハンドメイドでレストア?
最も人気が高いのは、第1期の117クーペです。
先に書いたように、ほとんどの部品がハンドメイド品でした。日本各地に、レストア目的でたくさんの117クーペが保管されているようですが、レストアするための部品はどこからも調達できません。
部品からハンドメイドしなければレストアできない状況なのです。
最近は、何台かの中古車を持ち寄って、部品を組み合わせて1台の117クーペをレストアするなどされているようです。
レストアとは本来、オーナーの好みに変えていくことだと思うのですが・・・。
丸目の117を角目にすることを邪道のように言う人もいるようで。
筆者に謝罪を求めてくる人がいたりしますが、ンも~そんなヤツは無視です。別にい~じゃんって感じです。個人的には丸目のほうが好みではありますが・・・。
お台場にあるメガウェブにあるレストアピットでも、117クーペのレストアを行ったことがあるようです。
その時の記録が公開されています。
http://www.megaweb.gr.jp/restore/isuzu_117_coupe/
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中古車はあるの?
現状渡しのものから、綺麗にレストアされたものまでいろいろ流通しています。
丸目も第2期の物が多いです。
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生産台数が少なかったので、綺麗なものは非常に高くなっているようです。
ネットで探すなら、こちらもオススメです。
▼▼非公開車両なども
さすがに手が出ないという方には、ミニカーがお勧めです。
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細部のディテールまで再現されていて、リアルなミニカーです。
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自分もハンドメイドしたい!という方には、プラモデルをお薦めします。
プラモデルの在庫も少なくなってきているようです。
早めに入手されることをお薦めします。
ラジコンをネットで探すなら↓
いすゞ自動車は、現在トラックやバスなどの商用車専門の自動車会社になってしまいました。
一時は、トヨタ・日産・いすゞが日本の自動車会社の御三家と言われた時代もあったそうです。その後経営状態が悪化し、乗用車生産から撤退してしまいました。
ちょっと変わった車を開発する、独創性をもった会社だったと思います。
また進出機会があれば、世間をビックリさせるような夢のある車を開発してほしいと思います。
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