昭和の時代の、自動車メーカーと言えば、トヨタと日産の2強の時代でした。
技術の日産に、対して品質のトヨタ。
特に、コロナとブルーバードのいわゆるBC戦争は熾烈なものだったと語り継がれています。
しかし、この戦いが日本のモータリゼーションをけん引し、日本が世界一の自動車産業王国になることが出来たんだと思います。
ダットサン・ブルーバードについて
ダットサンとは?
「脱兎号(DAT CAR)」と言う車を作っていた、快進社自動車工場が日産コンツェルンに吸収され、1930年にDATの息子という意味で、DATSONという商標を取得したそうです。
SONが「損」で縁起が悪いと、太陽を表すSUNに変更し、DATSUNのブランド名が登場しました。
1981年以降「日産」ブランドに統一されてきましたが、海外では「ダットサン」の認知度が高いことから2012年から新興市場向けにダットサンのブランド名の復活使用をしています。
アメリカでも有名で「ダッツン」と呼ばれています。
ダットサンブルーバードについて
ダットサンの代表的なモデルと言えば、「ブル」の愛称で親しまれた、
ブルーバードが真っ先に挙げることができると思います。
そのブルーバードの昭和時代の変遷を、初代から追って見ていきましょう。
戦後直後、トヨタは自社技術のみで国産車開発を行ったのに対して、
日産は国産車を開発・生産する技術を持っていませんでした。
そこで、オースチンと提携し、車の部品状態で輸入して国内で組み立てるノックダウン方式で自動車生産を始めます。この時生産された自動車が、ダットサン・セダン110と210と呼ばれました。
純国産車と言えるダットサンは、3モデル目からなのです。その関係で、初代のダットサンブルーバードは310型と言われています。
ブルーバードの名前は、和訳で「青い鳥」。
欧米では青い鳥は「幸せの青い鳥」と言って、幸福を象徴するものだそうです。当初は社長の発案で「スノーバード」だったみたいですが、アメリカでは俗語で「麻薬常習者」を表すことが解り急遽変更になったそうです。
□ 初代 ダットサン・ブルーバード310型系
1959-1963年
□販売期間 1959年-1963年
□ボディータイプ 4ドアセダン・ワゴン
□エンジン 1200/1000cc 直列4気筒 OHV
□トランスミッション 3速MT
□駆動方式 FR
□サスペンション 前:ダブルウイシュボーン 後:リジッドリーフSP
□全長 3915mm
□全幅 1496mm
□全高 1470mm
□車両重量 900kg
□ブレーキ 4輪ドラム
本格的な量産車として1959年に登場しました。足回りは、定評のあったダットサントラックの部品を流用し、エンジンはオースチンのエンジンを改良したものを搭載しています。
純国産技術で作られたコロナに対して、裏付けある技術を投入したため、
その信頼性が好評となり販売ではコロナに対して優位に立ちました。
□ 2代目 ダットサン・ブルーバード 410型系
1963-1967年
宿敵コロナの2代目は、ブルーバードを意識したデザインで1960年にモデルチェンジしています。後手で2代目を送り出す日産は、エクステリアをピニンファリーナに託したモデルです。
しかし、このデザインが不評。
初めてコロナに販売台数で負けることになります。
□ 3代目 ダットサン・ブルーバード 510型系
1967-1972年
先手のコロナは1964年に「アローライン」デザインのコロナを発表し、
さらに高速道路で公開耐久試験を行ったりして、信頼性をアピールする中、
ブルーバードの中で最も人気のあった510型ブルーバードが発売されます。
丁度並行して開発されていたのが、あのハコスカ2000GTRです。雰囲気は同じですよね。
エンジンは新型のL型エンジン、サスペンションは日産初の4輪独立懸架で技術力をアピール。構造は古いながら、デラックス装備でアピールするコロナ。
BC戦争の軍配はブルーバードに上がりました。ラリーなどにも参加し、
好成績を収めていたため、国内だけではなく海外でも認知度が高く人気があるモデルでした。
□ 4代目 ダットサン・ブルーバード 610型系
1971-1976年
国内メーカー各社、モデル数が拡大するにつれて、コロナもブルーバードも共に、
販売台数を稼げるクルマではなくなってきます。
先代に比べて、ボデーを大型化した4代目は明らかに失敗作でした。オイルショックがあったこともあり販売は低迷しました。
□ 5代目 ダットサン・ブルーバード 810型系
1976-1979年
「おや? 710型なのじゃないの?」と気づかれていたら、さすがです。
5代目のブルバードは810型で間違いありません。710型のモデルは存在します。
モデル名は「バイオレット」。トヨタが、コロナの派生車としてマークⅡを発売したことに対抗して、日産はブルから派生車としてバイオレットを出しました。
このバイオレットに710型の型式を与えたわけです。
したがって、5代目のブルバードは一つ飛んで801型となりました。この代は、ハードトップが人気があったものの、セダンはあまり売れていません。
□ 6代目 ダットサン・ブルーバード 910型
1979-1993年
2代にわたり、販売不振に陥ったために、デザインはヒットした510型を意識したデザインを採用。ヘッドライトも流行の角目2灯になりました。
その狙いは大成功し、1600-2000ccクラスにおいては、連続27か月登録台数1位を獲得しています。FR駆動方式のブルーバードはこのモデルが最後となりました。
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□ 7代目 日産・ブルーバード U11型
1983-1990年
ブルーバードはこの7代目からFF駆動方式を採用しました。ダットサンの文字が消えて、日産・ブルーバードが誕生です。
先代910型が成功したため、7代目は冒険ができずに、
エクステリアデザインはキープコンセプトとなってしまいます。
またFFになったことから、走り屋さんからは敬遠され、販売台数も先代に比べて大幅に落ち込みました。
□ 8代目 日産・ブルーバード U12型
1987-1991年
昭和最後のモデルとなりました。このモデルでは、初めての4WDの設定が行われました。
世の中の車が、全部丸みのあるデザインになっていたため、
先代までの直線基調のデザインを改めて丸みを持たせた物になっています。
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映像でおさらいしてみましょう
ブルーバード ヒストリー 1954〜1987
□ 平成以降のモデル
9代目 U13型 1991-1995年
10代目 U14型 1996-2001年
この10代目は、関東圏でよく見かけられたのではないかと思います。
理由は、警察の捜査用覆面パトカーとして大量に採用されたモデルです。
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510が人気!
現在でも510型のファンが、世界中に居ます。リンク集のページを紹介します。
沢山の510の旧車会の風景動画です。
ダットサン510軍団 DATSUN Bluebird 510 ダットサン ブルーバード 510型
旧車の人気としては、完全にブルーバードの勝ちですね。
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当時の広告も見たい!
510型のCMをどうぞ。殆どセリフの無い、映画のようなCMです。
なつかしのCM 「日産自動車 ブルーバード」
NISSAN ブルーバード510 「心に残る、男の車」1971
当時のポスターも残っています。
910型のイメージキャラクタは当時絶頂期のジュリーこと沢田研二でした。
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お値段はそれなりですが、玉数は凄いです。たくさん在庫がありますね。一部ご紹介します。
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さすがに車庫がないので、実車を買えない方には、こんなブルーバードもあります。
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作るのが面倒な方には、ミニカーもありますね。
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1960年から1970年代にかけて勃発したコロナとブルバードの販売合戦。通称「BC戦争」。
抜きつ抜かれつの熾烈な競争の後は、両者共に販売不振とモデル名消滅という同じ運命を辿りました。
モータリゼーションの中では、価格的にも性能的にも一般大衆に丁度いいクルマだったんですね。だから支持され売れたんだと思っています。
社会が豊かになり、趣向が分散してくると、ブルーバードやコロナは中途半端なクルマとして人気が無くなってしまいました。
40代後半の方ならば、ブルーバードやコロナを実際に見てきたでしょうし、
実際に運転してきた方もいるでしょう。いろいろな思い出が詰まったモデルですよね。
また、幸せの象徴の青い鳥が復活することを願っています。
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